【吉田ブログ】サイボウズ青野社長の講演が凄すぎた話-これからの会社組織-

WINDUP Advisoryの吉田です。このブログでは私の仕事に関する考え方や経営方針などについて書いています!

2025年2月、経営者団体の会合にて、サイボウズ株式会社の青野社長のご講演をお聞きすることができました。

私は過去にいろいろな講演会等に参加してきましたが、今回お聞きした講演はこれまでのベストだったかもしれないと思っているため、感想を書いてみたいと思います。

というのも、青野社長の組織運営方針が、時代をとらえ、かつ極めて柔軟なものであるように感じたからです。

ご存じの方も多いと思いますが、サイボウズはグループウェアやkintone等の展開を行っています。20年ほど前に四国・松山にて3名で始められたそうですが、現在ではプライム市場に上場する大企業であり、従業員数は1000名となっているそうです。

個人的には以前所属した会計事務所で同社のグループウェアを使用していたり、現在いたるところでkintoneを使用していたりで、大変なじみのある企業でした。

グループウェアやkintoneの具体的な説明は省略しますが、個人的にkintoneは非常に素晴らしいサービスであると思っています。

日経新聞等で報道されている同社の社風には、旧来の企業とは異なるものを感じます。ご講演によると、かつては退職率が高い「普通のIT系の会社」だったそうですが、あらゆる組織改革を行った結果、退職率が劇的に低下したとのこと。その施策についてご講演いただいたのですが、以下のキーワードが刺さりました。

・公明正大、オープンな組織

これ、本当に重要だと思います。人事評価基準をはじめ、組織の色々なルールはわかりやすく明文化され、全従業員が即参照できるようになっているべきだと思います。私が過去に所属した組織(会社学校問わず)では、評価基準等がない、あってもわかりにくい、そもそもどこにあるかわからない、ということがよくありました。「ほかの人はよくこれでやる気が出るな」と思っていたものです。私も一度ボーナスの算定方法がわからず理由を細かく聞いたら、偉い人に激怒されたことがありました(聞き方が悪かったのは認めます笑)。

同社では各種経営会議を始めかなりの意思決定が従業員にオープンになっており、しかも賛成か反対の意思表示もできるという話を聞き、驚きました。

・質問責任と説明責任を重視する

これまた非常に重要だと思います。そしてこれがなかなか理解されないと思います。

というのも多くの場合、組織において「上層部の方針を疑う、異議を申し立てる」ということが暗黙的にNGになっていることが多いからです。多くの組織人は、おかしなルール、意味が分からない慣習、古いやり方に疑問を感じながら(裏で文句を言いながら)、大人しく従っています。これはなぜかというと、それが許されないから。すなわち上層部がそういった空気を許していないから、ということになるでしょう。

しかしそんな組織はこれからの時代、才能ある人材から見放されると思っています。

必要であると思ったならその背景を含めて質問できる環境が必要だし、むしろしなければらない「質問責任」がある、ということです。

上とも関連しますが、組織は当然それに応える「説明責任」があります。

ここで大事なのは、質問するのはいいけどルールが必要だ、ということでした。

確かにルール化も重要だと思います。感情のままにあれこれ質問するのではなく「事実」と「解釈」を分ける。提案時は「現実」と「理想」を分ける。こういったルール化をしないと、どうでもいい質問や感想のような提案で組織が疲弊する恐れがあります。

そういうルール化をした上での「従業員の質問責任」「組織の説明責任」が徹底されているようで、本当に先進的だなと思いました。

柔軟でスピード感のあるルール、組織変更

世の中は凄いスピードで変化しています。今では信じられませんが、私はコロナ前、「家で仕事など1秒もできるか」という超出社派でした笑。しかし現在、オフィスにいる時間は週5時間くらいです。このように人々の価値観など環境次第であっさり変わるものだと思います。

そんな中にあって、様々な背景を持つ従業員の事情を無視した融通の利かない組織設計や社内ルールは、モチベーションダウンの原因となり得ます。

従業員からの要望とそのメリットデメリット、費用対効果を見極め、良いと思ったらすぐにルール変更する。これを驚くほど早い段階から実施されているように感じました。

上記3点、会社員時代の3社19年を含む社会人生活でなんとなく思っていたことでもあり、大変ありがたいお話でした。今後の組織づくりに生かしていければと思います!

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